弁護士コラム

2017.02.23

遺産の共有(9)

遺産の共有に関して問題となることの一つが、被相続人の同居人が、生前住んでいた家に住み続けられるかという問題です。

 

被相続人の建物に同居してきた共同相続人の1人(妻など)が、相続開始後もその建物を単独で占有している場合に、他の共同相続人はその持分権をもって建物の明渡しや賃料相当額を請求することができるでしょうか。

この点について判例は、特段の事情がない限り、相続が開始した後も、遺産分割により当該建物の所有関係が最終的に確定するまでの間は、引き続き同居人に無償で使用させる旨の合意があったものと推認されるとしています。

すなわち、被相続人死亡時から、少なくとも遺産分割終了までの間は、被相続人の地位を承継した他の相続人が使用貸借契約の貸主となり、無償で貸していることになります。

 

また、同居人が相続権を持たない内縁配偶者についても、同様の理由により、共有物を単独で無償使用できるとされています。

 

 

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投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2017.02.23

遺産の共有(8)

遺産は、共同相続人間の遺産共有状態にあるため、その管理には民法の共有の規定が準用されます。

 

遺産の保存行為(財産の現状や価値を維持するための行為)は、共同相続人が各自で行うことができます(民法252条ただし書き)。

家屋の修理、貸金債権の時効中断のほか、不法登記の抹消請求、不法占有者に対する妨害排除請求などが、保存行為として判例で認められています。

 

遺産の管理行為については、相続分に従った持分の過半数で決しなければなりません(252条本文)。

改良行為や利用行為などがこれに当たり、遺産中の土地を駐車場として貸し出す行為やその賃料の取り立てのほか、使用貸借契約の解除などがこれに当たります。

 

財産の性質を変えてしますような変更行為や、譲渡などの処分行為には、共同相続人全員の合意が必要となります(251条)。

変更行為には、農地を宅地に変更するなど、その性質を変更する行為がこれに当たります。

 

 

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2017.02.23

遺産の共有(7)

相続開始後、承認・放棄をするまでの間、共同相続人はその固有財産におけるのと同一の注意をもって相続財産を管理する義務を負います(民法918条1項)。

また、限定承認した場合のほか、相続放棄によって相続人になった者が財産管理を始めることができるまでの間についても、同様の義務を負います(940条)。

固有財産におけるのと同一の注意義務とは、自己の財産を管理するのと同等の注意をもって管理しなければならないということです。

 

被相続人の遺言によって、遺言執行者が指定されている場合には、遺言の執行に必要な範囲で遺言執行者が遺産を管理します(1012条)。

また、明文にはありませんが、共同相続人全員の合意によって相続財産の管理人を選任することもできます。

 

遺産の管理費用は、相続財産に関する費用として相続財産から支払われます(885条)。

管理費用には、固定資産税、火災保険料、修理費用などが含まれます。

 

 

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2017.02.23

遺産の共有(6)

可分債務についても、可分債権と同じく、法定相続分に従って当然に分割承継されます。

 

例えば、3000万円の金銭債権を有していた債権者は、債務者が死亡して、その子ABCが共同相続した場合には、ABCそれぞれに1000万円の限度でしか請求できないことになります。

 

連帯債務についても同じように扱われます。

被相続人Aが、Bと共に1000万円の連帯債務を負っていた場合、Aを共同相続した子CDは、それぞれ法定相続分で分割した500万円の限度でBと連帯することになります。

すなわち、債権者は、Aが死亡する前はABのいずれに対しても1000万円を限度に請求できたにも関わらず、A死亡後は、Bには1000万円を限度に請求できるものの、CDにはそれぞれ500万円の限度でしか請求できないことになります。

 

 

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2017.02.23

遺産の共有(5)

前回お話しした不可分債権と異なり、預金債権や損害賠償債権のような可分債権については、相続分に従って当然に分割されて単独債権として承継されます。

これにより、預金債権についても、遺産分割前に相続分に応じた払い戻し請求を認められています。

 

このように、可分債権が相続分に従って当然に分割単独債権として承継されるのであれば、後に遺産分割する際の対象とする必要がないという考え方もありえます。

しかし、判例は、特に預金債権について、分割承継された債権を改めて遺産分割の対象にすることを認めています。

共同相続人間で預金債権について遺産分割の対象とする明示または黙示の合意がある場合には、分割の対象となり、相続分に応じた払い戻しを銀行が拒否しうる余地があるとしています。

 

 

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2017.02.23

遺産の共有(4)

債権や債務についても、不可分債権や不可分債務を共同相続した場合には、相続人全員にこれが帰属します。

 

不可分債権は、共同相続人が共同して、または各相続人が相殺権者のために、履行を請求することができます(民法428条、429条)。

不可分債務は、各相続人が全部について履行する義務を負います。

 

なお、現金については、債権ではなく有体物として、他の動産と同じく遺産共有の形で共同相続人に帰属します。

相続財産として金銭を保管している相続人に対し遺産分割前に相続分に応じた金銭の支払いを請求することはできません。

 

 

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2017.02.23

遺産の共有(3)

前回お話しした事例で、Cがその持分ではなく、不動産を単独で所有しているかのように偽造し、不動産をDに譲渡して所有権移転登記をした場合はどうなるでしょうか。

 

Cが行った登記は、Cの持分については権利がありますが、ABの持分に関する限り無権利の登記となるため、DもABの持分に関する限り、その権利を取得できません。

したがって、ABはたとえ登記がなくても、各自の法定相続分に応じた共有持分をDに対抗できることになります。

同様の理由により、法定相続分と異なる指定相続分に基づく共有持分の取得や、特定の財産を相続させる旨の遺言による所有権の取得についても、登記なくして第三者に対抗できるとするのが判例です。

 

 

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2017.02.23

遺産の共有(2)

前回お話しした通り、遺産分割がなされるまで、共同相続人は相続財産を共有し、共有持分権を有します。

それでは、遺産分割される前に共有持分を譲渡した場合どうなるでしょうか。

 

ABCの3人が不動産を共同相続し、それぞれ3分の1の持分を持っており、Cがその持分を第三者Dに譲渡した場合について考えます。

この場合、後にABC間で当該不動産をAに分割する協議が成立したとしても、Dが登記をしていれば、その協議に関係なく3分の1の持分を取得します(民法909条ただし書き)。

 

これは、譲渡の場合のみならず、Cの債権者DがCの持分を差し押さえた場合も同様となります。

あくまで協議は共同相続人間の内部の問題なので、第三者の利益を害することになってはならないからです。

 

 

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2017.02.23

遺産の共有(1)

民法898条は、相続人が複数あるときは、相続財産はその共有に属すると規定しています。

これを遺産の共有と呼びますが、民法249条以下の共有と基本的には同じように扱われます。

 

たとえば、相続財産中の不動産は、共同相続人間でその所有権は共有され、各相続人は共有持分を持ちます。

占有権を共同相続した場合には、共同相続人間で共同占有となり、担保物権を共同相続した場合には、準共有(民法264条)となります。

また、借地権を共同相続した場合には、同じく準共有となり、共同相続人は賃料について特段の事情がない限り、不可分債務として全員が義務を負うとされています。

 

 

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2017.02.16

◎相続放棄の申述

相続放棄とは,相続人が相続開始による包括承継の効果を全面的に拒否する意思表示です。放棄する相続人は,自己のために相続が開始したことを知った時から三カ月以内に家庭裁判所にその旨を申述しなければなりません。

申述が受理された場合,放棄した相続人は,その相続に関しては最初から相続人とならなかったものとみなされます。

相続放棄の意思表示は,相続が開始した地を管轄する家庭裁判所にしなければなりません。

 

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