弁護士コラム

2019.04.22

遺留分減殺請求

相続人は、「遺留分とはで述べたとおり、遺留分を侵害された場合には、「遺留分減殺請求」をすることができます。請求の方法に決まりはなく、相手方に書面や口頭で通知したり、家庭裁判所に調停を申し立てる方法等があります。

しかし、注意しなければならないのは、遺留分減殺請求には時効が設けられており、民法によれば、

時効は(1)相続開始の時から10年を経過したとき、

   (2)遺留分の権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年間行使しないとき  と定められています。

よって、時効が完成した場合は遺留分減殺請求を行うことができなくなってしまいます。そのため、相手方に初めて通知をするときは、内容や発送日付を証明することができる「内容証明郵便」などの形をとるのが良いでしょう。また、被相続人が遺した遺言書に、「財産は全て愛人に相続させるため、遺留分については争うな」といった記載があったとしても、遺留分は民法で定められている権利ですので、相続人はこれに従う必要はなく、遺留分減殺請求を行うことができます。被相続人の意思を尊重することも大切ですが、必ずしも遺言書の通りに相続をしなければならないわけではありませんので、一度弁護士などの専門家に相談してみると良いでしょう。

 

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投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2019.04.19

遺贈・贈与・特別受益

遺留分が侵害されるケースとしては、次に説明する①遺贈や②贈与(生前贈与及び死因贈与)が挙げられます。また、遺贈、死因贈与や一定の場合の生前贈与は、③特別受益として扱われ、遺留分権利者の具体的な遺留分を計算する際に考慮されます。以下に、詳しく見ていくことにします。

①遺贈
遺贈とは遺言によって、無償で自分の財産を他人に与える処分行為を言います。遺言によって財産を受け取る人のことを「受遺者」といいます。遺贈には特定遺贈と包括遺贈の2種類あります。「特定遺贈」とは、遺贈者が持っている財産の中で、特定の財産を受遺者に無償で譲渡することです。特定遺贈の場合、財産が特定されているため、遺言書に誤った記載があると相続ができないことがありますので気を付けましょう。

次に、「包括遺贈」とは、遺贈者が持っている財産に対して、配分割合を定めて受遺者に無償で譲渡することをいいます。包括遺贈の場合は、受遺者も相続人と同じ権利を持つことになるため、プラスとマイナス両方の財産も引き継ぐことになりますので、注意が必要です。

②贈与
贈与とは、当事者(贈与者)の一方が自己の財産を無償で相手方(受贈者)に与えることをいいます。贈与の中には、契約自体は贈与者の生前に行われるが、贈与者の死亡によって効力が発生する「死因贈与」があり、これと区別するために、生前贈与」とも言われます。

贈与では、贈与者と受贈者の認識にズレがないことがきちんと証明できなければなりません。つまり、贈与者は贈与し、受贈者は貰ったと確実に認識している必要があります。贈与契約書などを作成し、贈与があったことをしっかりと証明できるようにしましょう。

③特別受益
特別受益とは、相続人の中で、特定の相続人が受けた特別な利益のことをいい、遺贈(死因贈与を含みます。)及び生前贈与のうち、「婚姻のための贈与」、「養子縁組のための贈与」、「生計の資本としての贈与」を受けた場合に特別な利益であるとみなされます。

しかし、当該贈与が個別事案において特別受益と認定されるか否かは、当該贈与の金額やそれが被相続人の遺産額に占める割合、贈与がなされた趣旨、他の相続人への贈与の有無等、諸般の事情を考慮して、特別な贈与か否かを判断されるため、事例ごとの判断を要します。

例えば、親から会社経営のために長男のみが事業資金を援助してもらった場合は特別受益だと判断される可能性が高く、他方で結婚のための費用や学校の学費については相続人全員が親から出してもらっていた場合等は特別受益に当たらないと判断される場合も多いでしょう。

遺留分権利者が特別受益を受けていた場合は、個別具体的遺留分から控除されてしまうため、贈与が必ず遺留分対策になるとは言えません。

 

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2019.04.18

遺留分とは

「遺留分」とは、被相続人の配偶者や子供など一定の範囲の相続人が相続できる、法律上保障された最低限の取得分のことを言います(民法第1028条)。民法は、相続人の生活保障及び遺産形成に貢献した相続人の潜在的持分の清算という観点から、法定相続人が遺産をできるだけ多く取得できるよう配慮して作られています。しかし、その反面で、被相続人の意思も考慮しなければならないため、遺言や遺贈などの方法で自由に遺産を相続させることができるようにも定められています。

では、親族の中で、遺留分の権利はどこまで保障されているのでしょうか?民法上、遺留分の権利は、①配偶者、②子や孫などの第一順位の血族相続人と③父母や祖父母などの第二順位の血族相続人に保障されています。兄弟姉妹は第三順位の血族相続人ですので、遺留分の権利を有しません。そして、相続人が被相続人の直系尊属のみの場合、遺留分の割合は法定相続分の3分の1になります。その他の場合、つまり相続人に配偶者等の直系尊属以外の相続人もいる場合は、遺留分の割合は法定相続分の2分の1になります。

例えば、亡くなった父親が遺言書を遺しており、「愛人に全財産を相続させる」と記載があった場合は、配偶者であっても、実の子供であっても被相続人の遺産を相続することができません。そのような場合に、遺留分を有する法定相続人が「遺留分」を主張し、愛人に対して遺留分減殺請求をすることができます。

 

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2016.12.09

11 遺留分(17)遺留分減殺請求権の消滅②

前回お話しした1042条の期間制限の内、「相続開始の時から10年を経過したとき」はわかりやすいかと思います。

 

「減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時」とは、単に被相続人の財産の贈与があったことを知っただけではなく、その贈与が減殺すべきものであることまでを知る必要があるとされています。

したがって、例えば、贈与があったことは知っていたが、それが無効であり、減殺の対象となる有効な贈与とは思っていなかったというような場合には、消滅時効が進行しないことになります。

しかし、そうであるならば、無効を主張する限り、遺留分減殺請求権は消滅せず、民法が期間を制限した意味がなくなります。

 

そこで判例は、被相続人の財産のほとんど全部が贈与されていることを認識している場合については、事実上及び法律上の根拠をもって、無効を信じているため遺留分減殺請求権を行使しなかったことがもっともであるといえる特段の事情が認められない限り、贈与を減殺できることを知っていたものと推認されるとしています。

 

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2016.12.09

10 遺留分(16)遺留分減殺請求権の消滅①

遺留分減殺請求権は、相続開始の時に発生するが、以下の事情によって消滅します。

①相続放棄

②遺留分の放棄

③遺留分減殺請求権の放棄

④1042条の規定する期間制限

 

遺留分そのものや、遺留分減殺請求権を放棄した場合、当然に遺留分減殺請求権は消滅します。

また、遺留分減殺請求は相続人に認められる権利なので、相続を放棄した場合も減殺請求権は消滅します。

 

1042条は、期間制限として2つ規定しています。

1つ目は、「遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する」とされています。

2つ目は、「相続開始の時から10年を経過したときも、同様とする」と規定されています。

1つ目に該当しなくても、2つ目に該当する場合には、もはや減殺請求を行うことはできません。

 

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2016.12.05

9 遺留分(15)遺留分減殺請求の効果②

 

今回は減殺請求をする前に、贈与の目的物が第三者に譲渡されていた場合についてお話しします。

 

第三者に譲渡されていた場合、被相続人から贈与を受けた人に対して減殺請求権が行使された時は、価額による弁償がなされます。(1040条)

もし、譲渡を受けた第三者が、遺留分を侵害すること知っていた場合には、その者に対しても減殺請求権を行使することが可能で、現物の返還を請求することができます。(同条1項但し書き)

この場合も、その第三者は価額による弁償をすることで返還を免れることができます。

(1041条2項)

遺贈の目的物が譲渡された場合も同様です。

 

では反対に、減殺請求をした後に、登記を取得しない間に、相手方がその不動産を第三者に譲渡し、登記を移転してしまった場合には、どうでしょうか。

この場合、判例によると、177条の対抗問題として扱われ、登記を先に備えた方が権利者であるとしています。

 

 

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2016.12.05

8 遺留分(14)遺留分減殺請求の効果①

遺留分減殺請求を行った場合、目的となった遺贈や贈与の全額が減殺された時には、相手方は目的物を返還し、減殺をかけた遺留分権利者の単独所有となります。

減殺が一部の額だけである場合には、相手方と共有状態になります。

 

減殺請求の結果、請求権者の単独所有になった場合、相手方は目的物を返還する義務を負います。(1036条)

原則として原物返還ですが、価額による弁償をすることで、返還義務を免れることもできます。(1041条)

減殺の結果、共有状態となった場合も、相手方は価額による弁償をすることで請求権者との共有状態を解消することができることになります。

 

価額弁償については、単に価額の弁償の意思表示をしただけでは足りず、現実に弁償をするか、または弁済の提供と言われる行為をする必要があります。

また、価額の算定は、贈与時や相続開始時ではなく、現実に弁償がされる時を基準時とすると判例は判断しています。

 

 

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2016.12.05

7 遺留分(13)遺留分減殺請求の方法③

今回は減殺の対象ではなく、遺留分権利者が複数いた場合についてお話しします。

 

遺留分権利者が複数いる場合、各自の侵害額の割合に応じて、遺贈・贈与の順番に減殺をしていくこととなります。(1037条)

例えば、300万円の侵害額のAと、200万円の侵害額のBがいて、300万円の甲遺贈と、1000万円の乙贈与があった場合を考えてください。

この場合、甲についてAは180万円、Bは120万円の減殺をし、乙についてAは120万円、Bは80万円の減殺をすることになります。

 

もし、Aが先に甲遺贈に300万円全額の減殺を行えるとすると、Bは甲遺贈について減殺ができず、乙贈与に対し、200万円の減殺を行うことになりますが、これはAB2人の遺留分権利者の公平を害することになります。

なぜかというと、遺贈は相続開始時の話なので、確実に減殺することができますが、贈与は過去の話なので、贈与を受けた人がすでに無資力になっているリスクがあるためです。

このようなリスクを同じ遺留分権利者であるABのうちBのみが負うというのは、不公平な結果となるため、各自の侵害額に応じて減殺をしていくと定められているのです。

 

 

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2016.12.05

6 遺留分(12)遺留分減殺請求の方法②

前回遺贈が複数ある場合には、それぞれの価額の割合に応じて減殺されるとお話ししました。

これは、相続人以外の者に対する遺贈の場合であり、相続人に対する遺贈の場合は少し変わります。

判例によると、相続人に対する遺贈が複数ある場合には、受遺者の遺留分を超える部分の割合に応じて減殺するとしています。

これは、減殺された結果、遺贈を受けた相続人が遺留分に満たなくなった場合、減殺の循環が起こる恐れがあるからです。

 

では、遺贈ではなく、複数の贈与がある場合はどうなるでしょうか。

1035条は、「後の贈与」(相続開始時に近い時期の贈与)から順番に「前の贈与」(古い時期の贈与)へと減殺していくことになると定めています。

なお、死因贈与については、遺贈と同じように考えられているため、遺贈の次に減殺の対象となります。

 

 

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2016.11.11

5 遺留分(11)遺留分減殺請求の方法①

では、実際に遺留分減殺請求を行う時の方法についてお話していきます。

 

遺留分減殺請求の行使は、相手方に対する意思表示のみで行うことができます。

必ずしも裁判によって請求する必要はありません。

 

前回の事例では、減殺請求の対象となる贈与は1つだけでしたが、対象が複数ある場合には、減殺請求を行う順番が法律で決められています。

民法1033条は、遺贈をまず減殺し、遺贈を全部減殺しても遺留分侵害額に足りない時に贈与を減殺することができる、と定めています。

遺贈は、相続開始によって効力が生じ、相続財産から支出されるため、相続財産に含まれない贈与よりも、減殺による影響が少ないからです。

 

では、遺贈が複数ある場合、その順番はどのように定められているでしょうか。

1034条は、複数の遺贈について、遺贈者に特段の意思表示がない限り、遺贈の目的物全体についてそれぞれの価額の割合に応じて減殺されるとしています。

Aに対する遺贈が500万円、Bに対する遺贈が1000万円の場合、全体額は合計1500万円なので、遺留分侵害額のうちAに対して3分の1、Bに対して3分の2の割合ずつ減殺を行うことができることになります。

 

 

 

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