弁護士コラム

2017.02.23

遺言の執行(7)

民法上、遺言執行者は相続人の代理人として擬制されます(民法1015条)。

しかし、実際には、相続人の利害と対立する場合も多く、遺言執行者は必ずしも相続人の利益のためにのみ行為する義務は負いません。

 

遺言執行者は、遺言を執行するのに必要な範囲で、一切の行為をする権利義務を有します。

相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨害する行為をすることはできません(1013条、1014条)。

判例によれば、1013条に違反して相続人が相続財産についてした処分行為は、絶対的に無効となります。

 

 

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投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2017.02.23

遺言の執行(6)

遺言執行者は、遺言の執行に必要な範囲で、一切の行為をする権利義務を有します(民法1012条1項)。

この権利義務の範囲は、遺言の内容によって定まります。

遺言執行者が複数いる場合には、保存行為を除き、その過半数で決します(1017条)。

 

遺言執行者は、就職後遅滞なく、自己の管理処分権の対象となる相続財産について、目録を作成して相続人に交付しなければなりません(1011条1項、1014条)。

これによって、相続財産の現状と、遺言執行者の管理処分権の対象を明らかにすることができます。

 

遺言執行者は、遺贈や認知の手続きをするほか、遺言の執行に関連する権利を主張したり、自己の名において関連する訴訟の原告になります。

利害関係人が遺言に関連する訴訟を提起する場合、相手方は遺言執行者になります。

遺言執行者が当事者となって受けた判決の効力は相続人に及びます。

 

 

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2017.02.23

遺言の執行(5)

前回お話しした方法によって遺言執行者に指定・選任されても、必ず遺言執行者にならなければならない義務はありません。

遺言執行者に指定、選任された者は、遺言執行者になるかどうかを決めて、その旨を相続人に対して意思表示する必要があります。

遺言執行者に指定された者が一定の期間内に確答しなかったときは、遺言執行者になることを承諾したものとみなされます(民法1008条)

 

遺言執行者になることを承諾すれば、遺言執行者は直ちにその任務を行わなければなりません(1007条)。

遺言執行者に指定された者が辞退した場合には、遺言執行者が存在しないことになります。

その場合には、利害関係人は家庭裁判所に遺言執行者の選任を請求することができます(1010条)。

 

また、遺言執行者がその任務を怠ったときや、その他正当な事由があるときは、利害関係人はその解任を家庭裁判所に請求することができます(1019条1項)。

 

 

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2017.02.23

遺言の執行(4)

遺言執行者を定める手続きは3つあります。

 

①遺言者が遺言で指定する場合(民法1006条1項)

②遺言者が遺言で第三者に指定を委託し、第三者が指定する場合(同条1項~3項)

③利害関係人(相続人、受遺者など)の請求によって、家庭裁判所が選任する場合(1010条)

 

未成年者および破産者を除き、だれでも遺言執行者になることができます(1009条)。

相続人も遺言執行者になれますが、受遺者や他の相続人と利害が反する場合には忠実義務(1012条2項、644条)に違反するので、その場合には遺言執行者にはなれません。

遺言執行者は複数でもよく、法人もなることができます。

 

 

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2017.02.23

遺言の執行(3)

遺言の場合、すでに遺言者は死亡しているため、誰かが遺言の執行を行わねばなりません。

 

相続人は、被相続人から一切の権利義務を承継するため、原則として遺言内容を実現する義務も承継しています。

したがって、例えば遺贈の場合には、相続人は受遺者と共同申請によって登記移転手続きを行う義務があります。

 

しかしながら、遺言は相続人の利害と対立する内容を持つことも多いので、相続人には公正な執行が期待できない場合があります。

そのような場合には、相続人とは別に遺言執行者が置かれます。

遺言執行者がいる場合には、遺言の執行は遺言執行者に全面的に委ねられ、相続人には遺言の執行に関してなんの権限も義務もありません。

 

遺言執行者の選任については次回お話しいたします。

 

 

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2017.02.23

遺言の執行(2)

遺言の内容を実現する行為を遺言の執行といいます。

 

遺言によって、遺贈や認知がされている場合、効力自体は遺言者の死亡によって当然に生じますが、各種の手続きをしなければなりません。

不動産の遺贈の場合には、当該不動産の所有権移転登記手続きをする必要がありますし、認知の場合には、戸籍への届け出をしなければなりません。

また、遺言で相続人を廃除する旨が定められていても、遺言者の死亡のみでは排除の効力は生じず、誰かが家庭裁判所に排除の請求をして、その旨の審判を得る必要があります。

 

このように、遺言事項には、その実現のために何らかの行為を要するものがあり、これらの行為をすることを遺言の執行と呼んでいます。

 

 

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2017.02.23

遺言の執行(1)

今回から遺言がある場合に、いかにして遺言を執行するかについて、かいつまんで説明いたします。

 

公正証書遺言を除くすべての遺言書については、その保管者や発見者は、相続の開始を知った後、すみやかに遺言書を家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければなりません(民法1004条1項、2項)。

遺言書が封印のある封筒に入れられている場合は、家庭裁判所において、相続人またはその代理人が立ち会って開封されなければなりません(1004条3項)。

遺言書を提出しなかったり、家庭裁判所以外で開封したり、検認手続きを経ずに遺言を執行した者は、5万円以下の過料に処せられます(1005条)。

ただし、そのような場合でも、遺言やその執行の効力自体は発生します。

 

検認がなされると、相続人などの利害関係人に対してその旨の通知がなされるので、利害関係人の知らないうちに遺言が執行される事態を防ぐことができます。

 

 

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2017.02.23

遺言の撤回(7)

遺言が撤回されると、遺言は撤回がなされた時点に、撤回された範囲で消滅します。

 

撤回行為が撤回されたり、取り消されたり、効力を失ったりしても、撤回された遺言は原則として消滅したままで、復活したりはしません(民法1025条本文)。

もっとも、撤回行為が詐欺や脅迫を理由に取り消された場合には、元の遺言が復活します(1025条但し書き)。

このような場合には、遺言者が元の遺言の復活を希望していると考えられるからです。

 

さらに、判例によれば、遺言者が第1遺言を第2遺言で撤回した後、さらに第3遺言で第2遺言を撤回した場合において、遺言者の意思が元の第1遺言の復活を希望するものであることが、第3遺言の記載から明らかであるときは、最初の第1遺言が復活するとしています。

 

 

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2017.02.23

遺言の撤回(6)

法律行為や身分行為以外でも、遺言の撤回が認められる場合があります。

 

撤回意思が遺言で表示されていない場合でも、遺言者が前の遺言書や遺贈目的物を故意に破棄した時は、破棄した部分について、遺言を撤回したとみなされます(民法1024条)。

このような事実行為を行ったことに、撤回意思を認めることができるからです。

したがって、故意ではなく過失によって遺言書を破棄した時は、撤回の効力は生じません。

なお、以前お話しした遺言の方式の内、公正証書遺言の場合は、原本が公証役場に保管されているため、遺言者が手元にある正本を破棄しても撤回の効力は生じません。

 

また、これとは別に、遺言者が遺贈の目的物を過失によって破棄した時は、撤回の効力は生じませんが、遺贈の効力も生じません。

第三者によって遺贈目的物が破棄された場合には、遺言者が償金請求権などを取得していれば、その権利が遺贈対象となりえます(999条1項)。

 

 

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2017.02.23

遺言の撤回(5)

遺言の撤回について、譲渡以外にも、身分行為によっても撤回とみなされる場合があります。

 

遺言者が、終生扶養を受けることを前提として養子縁組をした上で、不動産を養子に遺贈する旨の遺言をしたが、その後、養子に対する不信感から協議離縁した事例で、遺言は撤回されたとみなされるでしょうか。

判例は、協議離縁によって、法律上も事実上も養子から扶養を受けることがなくなり、協議離縁が遺贈と両立させない趣旨でなされたものであることを理由として、協議離縁による遺言の撤回を認めています。

 

なお、贈与等の前の遺言と抵触する行為が無効な場合や取り消されて効力を生じない場合には、撤回の効力も生じません。

 

 

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