弁護士コラム

2016.12.09

15 遺言(4)遺言の方式③

公正証書遺言とは、公証役場で公証人と呼ばれる専門の人間に作成してもらう遺言のことです。(民法969条)

公正証書遺言は以下のように作成されます。

①証人2人以上の立会いのもとで、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口頭で直接伝える。

②公証人は口述を筆記し、

③筆記したものを公証人が遺言者及び証人に読み聞かせ、または閲覧させる

④遺言者及び証人は、その筆記の正確なことを承認した後

⑤署名・押印する

⑥最後に公証人が、方式に従って作成したものであることを付記して、署名・押印する。

以上の方法で、同じ内容の遺言公正証書が3通作成されます(原本、正本及び謄本)。

このうち、原本は公証役場に保管され、正本・謄本は遺言者や遺言執行者に交付されます。

 

自筆証書遺言と異なり、公証人という正式な立場の人間に作成してもらうため、方式が間違っていて遺言が無効となる、といったことは起こりません。

また、公証役場に保管されるため、遺言書が紛失することもありません。

公正証書遺言の作成には、多少の金額がかかりますが、確実に有効な遺言を遺すことができる制度です。

 

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投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2016.12.09

14 遺言(3)遺言の方式②

自筆証書遺言とは、遺言者が遺言書の全文・日付・氏名を自書し、これに押印がされた遺言書のことを言います(民法968条1項)

自筆証書遺言の場合、証人や立会人は一切必要ありません。

 

その代わり自筆証書遺言書には、遺言者の自書によって作成されていることを証明するために、

①筆跡がわかる方法で

②遺言書の用紙に遺言者自身が直接書いた場合

にかぎり「自書」されたことと認められます。

そのため、ワープロによる遺言書の作成やDVDに録画する方法で遺言した場合も、たとえ本人の真意や本人が作成したことが確実であるとしても、「自書」とは言えないため、有効な遺言とは扱われません。

 

日付の記載は、遺言書完成時の遺言能力(意思能力があったか)の存否や、複数の遺言書がある場合にその先後関係を判断するために要求されています。

以前お話しした通り、遺言は何度でも作り直すことが可能なので、複数の遺言書がある場合には、一番最後に作成された遺言が有効な遺言となります。

そのため、日付の記載は、暦日である必要はなく、遺言完成の年月日が客観的に特定できればよいので、例えば「私の60歳の誕生日」「娘の結婚式の日」という記載も有効です。

 

氏名の記載は、遺言者の特定のために要求されます。

遺言者が特定でき、他人との混同が生じないのであれば、氏または名のみでもよいとされています。

 

押印は、自書の要件と同様に、遺言者本人であること及びその意思が真正なものであることを担保する機能をもちます。

使用すべき印章には制限はなく、指印でもよいとされています。

 

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2016.12.09

13 遺言(2)遺言の方式①

遺言は、遺言者が死亡して初めて効力を発揮します。(985条1項)

そのため、遺言が効力を発揮する時には遺言者は存在しません。したがって、その遺言が本当に遺言者の真意に基づくものであることを担保できるようにする必要があります。

民法は、真意であることを担保するために、遺言者に一定の方式に従って遺言をさせるようにしています。(960条)

この方式が守られていれば、正式な遺言として、遺言者の真意によるものであるとみなされるわけです。

逆に言えば、口約束など、方式に従っていない遺言は、効力を有しないことになります。

 

遺言の方式には、普通方式と特別方式があります。(967条)

普通方式の遺言には、自筆証書遺言(968条)、公正証書遺言(969条・969条の2)、秘密証書遺言(970条~972条)の3つがあります。

特別方式の遺言には、死亡危急者遺言(976条)、伝染病隔離者の遺言(977条)、在船者の遺言(978条)、船舶遭難者の遺言(979条)の4つがあります。

特別方式とは、普通方式によることが不可能か著しく困難な場合に、例外的に許されるもので、基本的には遺言は普通方式に則って行われる必要があります。(967条)

 

次回から、それぞれの遺言の方式についてお話していきます。

 

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2016.12.09

12 遺言(1)遺言の制度

人は、法律行為によって自己の法律関係を自由に形成することができます。

生きている時は自己の財産について自由にできるわけですから、自己の財産について死後どうするかも自由に定めることができてしかるべきです。

このような、人がした自己の財産についてした意思表示の効力を、その人の死後に生じさせる法律行為を遺言といいます。

 

遺言制度は、遺言者の最後の意思を尊重し、実現することを目的としています。

遺言者の自由意思を尊重するという観点から、遺言をする時点において満15歳以上の者は、だれでも単独で有効に遺言をすることができます(民法961条・963条)。

遺言は、遺言者自身の意思が尊重されるべきであり、たとえ不合理な内容であっても、その効力は死後に生じるので、遺言者の利益を害することにはならないからです。

 

遺言の自由を保障するために、遺言に対する他人の介入は厳格に排除されています。

具体的には、遺言の代理は認められていません。

また、遺言者の自由な遺言を妨害した者は、相続欠格(891条3号~5号)や受遺欠格(965条)として、相続人から外されます。

 

遺言者は、生存中はいつでも何度でも、遺言の全部または一部を自由に撤回し、変更することができます。(1022条)

遺言は、遺言者の最後の意思を尊重するため、死ぬまで何度でも変更が可能となります。

 

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2016.06.01

遺言の撤回⑤ 撤回の効力

遺言が撤回された場合、その遺言は、撤回がなされた時点に、撤回された範囲で消滅します。

万が一、撤回行為自体が撤回されたり、取り消されたり、効力を失ったりしても、撤回された原遺言は原則として消滅したままで、復活しません(民法1025条)。

これは、撤回行為そのものが失効しても、遺言者が原遺言の復活を常に希望するかどうかは明らかではないので、原遺言を自動的に復活させるよりも、遺言者に改めて遺言をさせるほうが真意を担保できると考えられたからです。

 

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2016.06.01

遺言の撤回④ 遺言書または遺贈目的物を破棄した場合

撤回の意思が遺言で表示されていない場合であっても、遺言者が前の遺言書や遺贈目的物を故意に破棄したときは、破棄した部分について、遺言を撤回したものとみなされます(民法1024条)。

これは、このような事実行為を故意に行ったことに撤回の意思を認めることができるからです。そのため、遺言者が過失によって遺言書を破棄してしまったときは、撤回の効力は生じません。

 また、遺言者が遺贈目的物を過失によって破棄してしまった場合には、撤回の効力も、遺贈の効力も生じません。

 

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2016.06.01

遺言の撤回③ 前の遺言と抵触する遺言や法律行為をした場合

撤回の意思が遺言によって明示されていない場合であっても、(1)遺言者が前の遺言と内容的に抵触する遺言をした場合(民法1023条1項)や、(2)遺言者が、遺言が完成した後に遺言と抵触する法律行為をした場合(民法1023条2項)にも、その抵触する部分について、遺言は撤回されたとみなされます。

例えば、遺言者が、甲不動産をAに遺贈する旨の遺言をした後、甲不動産をBに遺贈する旨の遺言をした場合…(1)や、Bに生前贈与した場合…(2)に、Aへの遺贈が撤回されることになります。

なぜなら、このような場合には、撤回意思の存在が推測されますし、明確な撤回意思がなかったとしても、「遺言者の最終意思の尊重」という要請からは、後の遺言や生前行為で示された意思が尊重されるべきだからです。

 

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2016.06.01

遺言の撤回②

遺言者は、いつでも自由に、遺言の全部または一部を撤回することができると以前お伝えしましたが、遺言の撤回は、相続人・受遺者・遺言執行者の法的地位に重大な影響を及ぼすので、単に遺言者の内心の意思が前の遺言で示された意思と異なるというだけでは、遺言の撤回は認められません。(1)前の遺言を撤回する意思が遺言で表示されるか、(2)遺言者自身のした法律行為や事実行為から、前の遺言とはことなる意思の存在が推測される場合に、遺言の撤回が認められます。

 遺言を撤回する意思表示をする場合は、原則として遺言の方式に従って表示しなければ、効力を生じません(民法1022条)。

 

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2016.06.01

遺言の撤回

遺言が成立した後、その効力が発生する(遺言者が死亡する)までの間に長期間が経過する場合も少なくありませんが、この間に遺言の基礎となった事情(例えば遺言者の家族関係や財産状態)に変化が生じたり、遺言者の意思が変わったりすることがあります。このような場合、遺言者はいつでも遺言を撤回することが可能となります。

 遺言の撤回に関しては何の制限もなく、遺言者が遺言を撤回しない旨の意思表示をしても無効であり(民法1026条)、撤回の自由は法律で強く保護されています。

 

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2016.05.25

遺言の無効・取消し③

遺言の内容自体に問題がある場合としては、(1)公序良俗や強行法規に反する内容である場合と、(2)その他遺言自体に特有の無効原因がある場合があります。

 まず、他の法律行為と同じように、公序良俗や強行法規に反する内容の遺言は無効になります(90条)。

 次に、遺言に特有の無効原因として、以下の二つをあげることができます。

①遺言の内容が、遺言の解釈によって確定できない場合や、そもそも遺言事項に該当しない場合は、遺言は成立せず、無効となります。

②被後見人がした遺言は、後見の計算(民法870条)の終了前になされたものであり、その内容が後見人またはその配偶者もしくは直系卑属の利益になるべきものであれば、無効となります。これは被後見人の遺言に後見人が不当な影響を及ぼすのを阻止し、後見事務を適正かつ明確にさせるために定められています。

 

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