弁護士法人菰田総合法律事務所

遺産相続コラム

特別受益の持ち戻しについて、民法改正前に問題になっていたこと

前回の記事はこちら⇒https://www.law-komoda.jp/blog/special-benefit/3297/

相続人の中に、生前に特別受益を受けた人がいた場合、相続財産の総額に特別受益の額を戻したうえで、相続分の計算をするということを「特別受益の持ち戻し」というとご説明しました。改正前の法制度において、この「特別受益の持ち戻し」のどこが問題視されていたのでしょうか?

例えば、親子の間での贈与以外でも、配偶者に今住んでいる自宅を生前贈与したという場合も特別受益にあたりますので、相続が発生した際は特別受益の持ち戻し計算が必要になります。

その際、「特別受益の持ち戻しを免除する」という意思表示があれば別ですが、その意思表示が無かった場合は、相続が発生した後に、自宅を特別受益とした持ち戻し計算が必要になります。

この時に問題視されていたのが、相続財産の額によっては、残された配偶者が自宅以外の財産を相続できない可能性があるという点です。


例えば、生前夫が妻に自宅不動産を贈与したとしましょう。

その後、夫が亡くなり、相続財産として預貯金が2000万円残っていた場合、妻が生前に夫から貰った不動産は、その贈与が無かったとしたら被相続人の財産に含まれていたものになるため、相続財産に戻して計算をすることになり、各自の相続分を計算する際の財産の額は不動産の額+預貯金2000万円となります。

相続人が妻のみだった場合、住んでいる自宅も預貯金も全て受け取れますので、持ち戻し計算を行ってもとくに支障はないといえます。

ですが、仮に妻と子ども1人が相続人だった場合、法定相続分はそれぞれ二分の一ずつになり、お互い財産を半分ずつ相続できる計算になりますが、このとき妻は既に夫から自宅不動産を生前に受け取っていますので、前述した法定相続分の通りに相続するとなると、自宅不動産の金額によっては、自宅以外の財産を相続できなくなってしまいます。

確かに、これまで生活してきた自宅はあるのかもしれませんが、住む場所以外の財産が一切もらえなくなってしまうとなると、残された配偶者が生活に困ってしまいます。

ここを解消するために、今回の民法改正で施行されたのが、「特別受益の持ち戻し免除の意思表示の推定」という制度です。

次回はこの制度を詳しく見ていきましょう。

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